VOL.41 — 2026年10月5日–10月11日

「打たなくても勝てる」は、救いなのか

NLDS第3戦、ロバーツ監督は大谷を打順5番に下げた。ドジャース移籍後、初めてのことだ。監督の言葉は、慰めにも、宣告にも聞こえた——「彼があまり大活躍しなくても勝てると分かるのは、いいことだ」。ドジャースは地区シリーズを3勝1敗で突破し、NLCS初戦でブルワーズに敗れた。

ドジャース移籍後初の5番・NLDS突破・NLCS初戦は1-2

NLDS第3戦、10月6日のアトランタ。ロバーツ監督が提出した打順表には、大谷翔平の名前が5番に書かれていた。ドジャース移籍後、5番は初めてだった。シリーズは1勝1敗。相手先発は左腕クリス・セール。ロバーツ監督は「今日に限った話」と説明した。

背景には、数字があった。NLDS第2戦までで8打数2安打、長打なし、四球なし、三振2。レギュラーシーズン最後の5試合は21打数5安打・三振8。本塁打は8月18日(ロッキーズ戦)を最後に出ておらず、OPSは前半戦の.953に対して、後半戦は.772に落ちている。CBS Sportsは第2戦を終えた10月5日、「ドジャースはこのバージョンの大谷で勝ち抜けるのか」と問いかけている。

この日の大谷は無安打。ただ、打撃妨害と四球で2度出塁した。ドジャースはキケ・ヘルナンデスの2ラン、フリーマンのソロ、山本由伸の自己最多10奪三振(7回1失点)で3-1と勝った。ロバーツ監督はこの起用について、こうも語っている。

"…we can still win games without him doing a whole bunch."

彼があまり大活躍しなくても、勝てるチームだと分かった——。慰めにも、宣告にも聞こえる言葉だった。

翌7日の第4戦、大谷は4番に戻った。2回の先頭で四球を選ぶと盗塁。捕手の悪送球で三塁へ進み、遊撃手ダブロンの落球で生還して同点とした。安打ではなく、足と相手のミスで刻んだ1点だった。続くアンディ・ペイジェスの2点適時打でドジャースは4-1と勝ち、3年連続のNLCS進出を決めた。

皮肉なことに、この週の大谷は、リーグ最高の攻撃成績に贈られるハンク・アーロン賞の最終候補10人にも名前を連ねた。最終成績は打率.275、30本塁打、81打点、OPS.889(135試合)。数字は、「サブパー」と評された1年の中でも、そのまま立派だった。

迎えた10月11日のNLCS初戦。大谷は4番で四球と単打の2度出塁し、2回にペイジェスの適時打で生還して、チーム唯一の得点を記録した。だがドジャースは1-2で敗れた。チームは得点圏で6打数1安打、ポストシーズンを通じても22打数2安打にとどまっている。ブルワーズにとっては、ドジャース相手のポストシーズン連敗が7で止まった勝利だった。

「打たなくても勝てる」という言葉は、救いにも聞こえるし、宣告にも聞こえる。ただ、10月のドジャースは、その言葉が本当かどうかを、毎晩試されている。