IL明けの復帰から数えて最後の5試合、大谷は21打数5安打・打率.238、三振8、四球1に終えた。仕上がりを聞かれた本人は、「一番の回復方法は、完全にプレーしないことだ」と答えている。
ロバーツ監督は不振の理由を、故障ではなく「力み」や「追いかけすぎ」だと説明している。9月27日のレギュラーシーズン最終戦(ジャイアンツ戦、延長10回の末5-1で勝利)では3打数1安打を記録し、わずかに上向きの兆しも見せた。ドジャースはこの試合でシーズンを終え、ロバーツ体制6度目となる100勝に到達している。
だが、大谷の状態は3連覇に向けた懸念材料の一つに過ぎない。ESPNは、王者の不安要素として4つを列挙した——9月に入り得点圏打率.214まで落ち込んだ打線、故障がちなグラスノーとスネル(過去2年で先発合わせて51試合)、守護神不在のまま6900万ドルを投じたブルペン、そして大谷自身の状態。個人の物語だった「治りきらない体」は、いつの間にかチーム全体の課題の一部として語られるようになっていた。
"I don't put any stock into it. Once you get to the postseason, it's a different season."
ロバーツ監督のこの楽観は、選手個人の状態への処方箋ではない。それでも、10月3日にドジャースタジアムで始まるNLDS(相手はブレーブスとフィリーズのワイルドカードシリーズ勝者)を前に、チームが抱える不安を「別のシーズンだから」の一言で片付けようとしているようにも聞こえる。
「完全にプレーしないこと」が一番の回復だと知りながら、大谷はこれからも毎試合、バットを持ってボックスに立つ。王者の3連覇は、そういう矛盾を抱えたまま始まる。