9月11日のIL入りから16日。大谷は9月23日、パドレス戦でラインアップに復帰した。ロバーツ監督は前日、状態についてこう語っていた——「以前は5段階の5だったが、今はもう8か9くらいだ」。
この16日間で、状況は大きく動いていた。大谷を欠いたまま、NL MVP争いはカブスのピート・クロウ゠アームストロングが独走。WAR9.4、長打率.576、OPS.948、本塁打44、盗塁37——複数のメディアが「もう決着した」と報じるところまでオッズは開き、大谷は+750の「遠い2番手」に退いていた。彼が不在の間に、レースそのものが終わっていたことになる。
だが、大谷の名前が再びラインアップに現れたことの意味は、個人賞レースの外側にあった。この週の相手は、ワイルドカード争いの渦中にいるパドレス。ドジャースはすでにプレーオフ進出を決めており、消化試合に近い余裕を持って一戦に臨める立場にある。後がないパドレスにとって、大谷という存在がラインアップに戻ってくること自体が、重みを増す材料になった。
"If he was a five, he's probably an eight or a nine right now."
ロバーツ監督のこの言葉が語っていたのは、マウンドではなく打席に立つための体のことだった。投手としては、今季もプレーオフでも登板の予定はない。大谷はもう、賞レースを争う男ではなく、戻ってくること自体が意味を持つ男になっていた。
この記事の締め切り時点で、大谷の16日ぶりの一打席は、まだ結果が出ていない。それでも、彼の名前がラインアップに載っているという一行だけで、パドレスの一週間は、すでに少しだけ重くなっていた。