7月末、大谷は打率.290・出塁率.405・長打率.534、20本塁打・56打点という数字でひと月を終えた。二刀流のうち投手としての活動を7月3日以降休止していたことを考えれば、打者一本でもリーグ屈指と言える水準を保っていたことになる。
それでも、8月に入っても投手としての復帰時期は見通せないままだった。7月に表面化した膝の違和感が、思いのほか長引いている——この時点で、静かにそう受け止め始めたメディアも出てきていた。
打者としての充実と、投手としての空白。このアンバランスさこそが、8月にかけてのMVP論争の火種になっていく。
前半戦は十分すぎる数字で終えた。ただし、後半戦の主役は数字ではなく、「投げられるかどうか」という一点に絞られていく。