ファン投票の第一段階で、大谷は全選手中もっとも多い334万票超を集めていた。文句なしの支持だった。それでも7月14日、フィラデルフィアで行われたオールスターゲームに、彼の姿はなかった。
理由は左膝の違和感。休止期間に入る前の7月12日、大谷は左膝の水を抜き、注射を受けた。2019年に手術を受けた分裂膝蓋骨——古くからの持病だという。「一時的な張り」ではなく、構造的に付き合っていくべき弱点として扱われ始めたのは、この週からだった。
「後半戦を見据えた長期的な判断」
米メディアは「後半戦を見据えた長期的判断」と、わりあい冷静にこの決断を評価した。投票で選ばれながら出場を辞退する、という構図自体はスキャンダルではなく、あくまでチームの采配として受け止められている。
この時点では、まだ大きな懸念材料としては扱われていなかった。結果としてこの膝が、8月にかけての投手離脱と、MVP争いの潮目を変える伏線になる。