7月3日、大谷はこの日もマウンドに立った。特別な前振りも、深刻な兆候の報道もない、いつも通りの登板だった。だが結果として、これがこの夏最後にマウンドに立つ日になる——その時点では、誰もそれを知らなかった。
同じ週、オールスターゲームのファン投票では大谷が独走状態にあった。投打とも好調を維持したまま、シーズンは折り返しに向かっていくはずだった。
静かな一週間の裏で、後から振り返れば重要な意味を持つ日が過ぎていく——スポーツの記録というのは、しばしばそうやって残されていく。
この登板が最後になるとは、まだ誰も書いていない。それに気づくのは、もう少し先のことになる。