5月5日、敵地ボストンでの登板で、大谷は29回の空振りを奪った。この時点でシーズン中、他のどの投手も記録していない数字だったという。派手なスコアの裏で、投手としての支配力がまた一段上がった夜だった。
打撃のほうは、まだ本調子には遠い。開幕から数えて1ヶ月あまり、大谷にしては物足りない数字が続いていた。ただし米メディアの論調にも、この時点で深刻な危機感は見られない——「まだ5月序盤」という前提が、報道のトーンにも表れていた。
29回の空振り、今季最多クラス
投げるほうの支配力と、打つほうの足踏み。どちらも極端な形で同居する日々が、5月に入っても続いていた。
この物足りなさが、まもなく劇的に反転することを、この時点ではまだ誰も知らなかった。